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ヨーロッパインポート布地専門店ファン

ヨーロッパインポート生地専門店

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vol.8 生地マニアクス
マニアクス?そうです、マニアクスです。どんな世界にもマニアの方はおられます。布地の世界も例外ではありません。
今回は自他共に「布地マニア」と呼ばれる方についてお話ししたいと思います。

彼とはじめて知り合ったのは、ある国内のインポート既製服の展示場でした。その時は何もお話ししなかったのですが、イタリアのとある布地の展示会でも、またスイスの展示会でも私がゆくところゆくところ必ず彼と遭遇するのです。極めつけは私自身ずいぶん遠くへ来たもんだと思ってしまうような、ドイツの片田舎のきわめて小規模なアウトレット布地店での遭遇でした。私は同じ日本人ということで、普段はあまり同業の日本人とはお話をしないのですが、思い切って彼に声を掛けてみました。

そんなきっかけで彼と色々話をしてゆくうちに、どうやら彼は同業者ではないということが判明しました。普段はとある日本の機械メーカーにお勤めしていると言うことでした。
そうです。彼こそがマニアなのです。

彼は会社が休みになるとヨーロッパ中を駆けめぐり、ありとあらゆる展示会、布地店をめぐり、これは!という布地を買い求めて見本帳を造り楽しんでいるそうです。
ご自分で縫うことは全くせず、どなたかに縫ってもらうこともほとんどしないそうです。ただ純粋に布地を集めるのが楽しい、とおっしゃっていました。

彼がこだわるのはその布地がどこの工場で造られたかということです。
たとえば「A社の布地は昨年までBという工場で造られていたが、今年からはCという工場で造られるので、買いだ!」という具合です。

彼は当然ヨーロッパの各有名、無名工場の情報にも精通しています。「Aという工場は経営者が変わって質が落ちた」「B社はC社のグループ傘下に入ったのでこれから注目した方がいい」「D社は最近、新しい機械を導入したが、染めムラが多くなった」等々・・・・

一度、彼の見本帳を見せてもらったことがあるのですが、そこには布地のメーカー、デザイナーの名前、製作年月日、作成工場などの情報が書き込まれており、さながら布地業界の歴史教科書のようでした。

そこまで詳しい彼のこと、私は当然、彼が将来、布地関係のお仕事を目指しているのかと思い、そのように質問してみたのですが、彼はそんな私の質問を一笑に付してこう言いました。「仕事にするなんてとんでもない!そんなことしたら楽しくなくなってしまうじゃないですか!それに趣味で集めた物は人に譲りたくないし、売ろうとしても商売になりませんよ。」

果たして、おっしゃるとおりと納得してしまいました。たとえば、当店でも、同じ布地で仕入れ値が違う物があります。それはその布地が作成された工場の質、作成された時期によって変わってきてしまうものなのですが、それをお客様に説明させていただいてもなかなか納得していただけないものです。それは当然のことだとおもいます。見た目も顕微鏡クラスで確認しないと違いがわからないのですから。
だから当店では泣く泣く(?)定価をやすい方にあわせています。

彼は当店にもご来店いただいておりますが、めざとくこれらの布地を見つけてはお買いあげいただいております。

今、彼が探しているのは90年代初頭の布地だそうです。これがなかなか難しく、ヨーロッパの布地店を回って探し求めているそうですが、なかなかはかどらないとのこと。それもそのはず。まず布地を見てそれがいつ造られたかなどを知るのはありとあらゆる情報を知っていなければなりませんし、そもそもそんな中途半端に古い布地自体、扱っているお店はヨーロッパ広しと言えどもそうありません。

全く彼には、私どもも脱帽せざるおえません。彼は今、30代半ばなのですがこれから先、いったい何枚の布地を集めるのでしょう?

当ホームページに彼のことを書かせてもらう前に、ご本人に承諾をいただいたのですが、「ライバルが増えてしまうのは困る」と言いつつ快諾していただきました。

しかしながら彼のようなマニアのライバルになる方は果たして世界中探してもいるのでしょうか?もし、本ページをご覧の方で、彼のライバルになりうる方がいらっしゃいましたら是非当ホームページまでお知らせ下さい!自薦他薦は問いません!どのくらいマニアかをご明記の上メールをいただけたらと思います。お知らせいただいた方には粗品を差し上げます。






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