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ヨーロッパインポート布地専門店ファン

ヨーロッパインポート生地専門店

イタリア生地 フランス生地 イギリス生地 スイス生地

 
vol.6 ヨーロッパ布地の世界

★ヨーロッパ輸入生地はなぜ良いのか?その歴史と生産地

洋服の歴史が醸し出す技術の伝統は、歴史の浅いアメリカや、文化の違うアジアではなく、すべてはヨーロッパにあります。日本の素晴らしい着物文化と同様に、洋服の文化も数千年のヨーロッパの歴史が育んできたのです。特に著しく発達したのは現在のイタリアの代表都市のひとつであるあのヴェニスです。中世期には独立した共和国ヴェニスがヨーロッパファッションに大きな貢献をしました。当時のヴェニスは大変栄えた貿易国でありその強力な国をあげての海運により(一方の海運国ジェノバと海運の覇権を争いました)地中海を手中にして活躍し、東からの物産を制覇していました。

そしてシルクをはじめレースなどヨーロッパ諸国の上流階級すなわち各国の王侯貴族の人々(現在のフランス、イギリス、イタリア、スイス、ドイツ、オーストリア)の垂涎の的である布地や服飾品ファッションの拠点でもありました。だからこのヴェニスで先を争うようにして輸入された品、又ヴェニスで生産された品を求めました。ヴェニスの社交界の貴婦人方の身につけるファッションがまさに世界の憧れの対象となり、ヴェニスはファッションリーダーの国となりました。




現在のヴェニスの町並み




現在のヴェニスの布地店


そして中世文化が熟欄したルネッサンス期には、プリント技術も著しく発達し、シルクプリントなどはフィレンツェでいっそう高められます。
又毛織物業も、プラトーをバックにしたフィレンツェで大きく発展してゆきます。
当時フィレンツェを治めた、かの有名なメディチ家の大きな経済収入源として金融(銀行業)と毛織物業がありました。フィレンツェの街の中心部にも毛織り物組合の建物があり降盛をきわめました(今でも史跡として残されています)。
ルネッサンス期を迎えてフィレンツェの毛織物業はより高級化をはかってゆきます。そのような技術革新の波の中でイタリア人のとぎすまされた独特の感性と繊細な技術力が時を得て発揮されてゆくのです。



現在のフィレンツェの町並み




現在のフィレンツェの布地店店内

フィレンツェでは布地の他に宝飾細工や革製品も発達します。
あのブランド「フェラガモ」の本社がフィレンツェにあるのもこのような伝統の延長線上にあるのです。当時のローマ法皇載冠式の際、ローマの街をあげてのきらびやかな行列での様々な境をこえた衣装(歴史小説にも描かれています)をなどをはじめ、当時のヨーロッパ各王宮での豪華な衣装等は、より手のこんだ上等な布地を造り出す為の技術向上に拍車をかけたことでしょう。
又当時の服は全て今で言うオートクチュールです。それだけに各王室での貴婦人方の洋服作りのおしゃれ志向を満足させるエネルギーは想像にあまりあります。こうした各種布地の発達はルネッサンスを実現させたイタリア人の芸術性と創造性がまさに花開いた時期といえましょう。

その後、安価な普及品としてのウール毛織物は英国がそのシェアを脅かしはじめます。時代の流れと共に英国のウール、そして近年になってフランスがレースやファンシーな布地、ジャージーやよりファンシーなツイード布地業が発展させてきました。
又、スイスやオーストリアのエンブロイダー(刺繍)と有名なスイスコットンも発展してきました。しかしこのような流れの中で、残念なことですがフランスの素敵な布地を造り出して来たメーカー群が、ここ20〜30年の間に激減してしまいました。その主な理由は人件費のコスト圧迫が原因らしく、とても良いジャージーやファンシーなツイードを製造していた特性高いメーカーが次々に姿を消してしまいました。
なかでも、リヨン(ジャージーやシルクプリント、ファンシー素材のメーカーが集中していた地域)は、上質な養蚕農家が多くあった地区でしたが、今ではぶどう畑になってしまったようです(ワインの産地としても有名です)。
そして、カレーには伝統的なレースメーカーが今でもあり、素晴らしいレースを造り出しております。又ツールズはファンシーツイードのメーカーがあります。かつてはH.モロー、ハーレイシュタイン(ファンシーツイード)、ラ・ロンド、ジャネスト等素晴らしいメーカーがあったのですが残念です!!

コットンで有名なスイスでのメーカー集積地はサンガーレン地区です。ここも全盛期は製糸取り引きの中心地だったようですが、今ではコットンプリンターやエンブロイダー(刺繍)メーカーが集まっています。スイスコットンの特長はイタリー物に比べてそのプライスが安めに設定されることや色、柄が小付で調和のとれた気安い色調を打ち出します。又、カットボイルやボイル、ローン、サッカーシャンブレー、ピケ、コットンジャージー、等コットン素材で種々な素材感を演出することで、まさにスイスコットンの地位を築いてきましたが、ここ10年の間に輸出国として重要な日本やアジアの一部の国々の大不況のあおりを受けメーカーが整理統合されてしまいましたが、その独自の技術と市場性でスイスコットンの名を堅持し健闘しております。
高温多湿の日本の夏のオシャレは高級な天然繊維のスイスコットンは欠かせません。意外な布地生産国であるオーストリアには、やはりエンブロイダー(刺繍)メーカーとコットンメーカーがあります。エンブロイダーメーカーはスイス物よりプライスが頑張っていて業界でも有名です。サッカーやコットンジャージー等スイス物と同様に買いやすい良品を作っております。全てスイス国境に近い地区に集まっております。
ドイツは別珍、ベルベット、コーデュロイで有名なニーディックというメーカーがあります。その他、様々な布地メーカーがあるようですが、科学繊維生産も多く、輸入するのにそのミニマム(数量)が多く、高級布地、オートクチュール布地としては適さず、安めの既製服用メーカーが主であるようです。高級ファッションブック「エレガンス」社は何とドイツのアーヘンに本社があります(パリではありません)その他デュッセルドルフ近郊にもメーカーが多いのです。


その他の国では、例えば、かつてはスペイン、ポルトガル、オランダ、ベルギー等の布地が一部日本に入っていましたがいずれも品があまり良くなく、現在は輸入されていません。
またアメリカではオートクチュールの要求に応えうるような高級布地はいっさい作られていません。
アジア系の物、例えばサラサ等も同じ理由でオートクチュール用としては今ひとつのようです。但しインドシルクは一部要求に応えうる物があるようです。又、これに刺繍やビーズを使った物も最近では出回っています。これは、一部のインポート専業者が扱っております。

★生産地イタリアはどうなっているの?

今ヨーロッパの高級布地メーカーはイタリアに集中しています。
まず高級プリントのメーカーは、皆様ご存知のあの高級リゾート地「コモ」に集中しております。シルクプリントやウールプリント、シルク、ウールプリントをはじめコットン高級プリントもあります。
その理由は「水の質が良いから」といわれています。でも一部ミラノにもあります。あの超高級ブランドの「ガンディー二」やバッグ、ペーズリー柄で有名な「エトロ」等です。


 

世界一高級な布地を造り出すガンディーニ社。
有名デザイナーの多くがここのプリントを使用してコレクションを発表します!


次に毛織り物、織物でも高級物は「ビエラ」に集まっています。
あのエルメスの「アニオナ」もこの場所にあるのです。ビエラで生産されるのは梳毛の高級品です。そのほかいろいろなカシミアメーカーもここにあります。



ビエラを流れる川の様子。
よい布地を造り出すのには質のよい水が欠かせません。



アルマーニの布地を造っているメーカー


歴史の中に出たフィレンツェ郊外のプラトーはやはり毛織物、織物メーカーが集積している伝統の街ですが、ここは比較的安めの既製服用布地の生産地ですので、高級オートクチュール用メーカーは少ないのです。
ローマ、ナポリ等のイタリアの南部にはまったくありません。さて、前述したように一時は、ファッション性の高いメーカーがあったフランスの衰退、英国の保守性向などなど、今世界の一番のファッション服地の生産国はやはりイタリアになっており、この地位はますます確固たるものになってゆくことでしょう。


  




イタリアの布地店いろいろ





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