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ヨーロッパインポート布地専門店ファン

ヨーロッパインポート生地専門店

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vol.12 ヨーロッパ布地事情
(コットン編)その三



コットン素材の説明

コットンは、アオイ科に属するゴシピウムと呼ばれる植物の種毛繊維で種子の表皮細胞が特に細長く変形して生じたものです。
熱帯地にも多く産出しますが、亜熱帯オーストラリアでも産出されています。
現在我が国では国内生産は殆ど無ありません。
ほぼ全てを輸入に頼っています。
繊維の形態としてコットン繊維は細長い単細胞からなり、一端は種子に付着しもう一端はとがって密閉しています。
側面を見ると、よじられた扁平なリボン状で、断面はつぶれた中空があります。

この様な形は、繊維が互いに絡み合う性質を与え、コットンを細い糸に紡績するのに
欠く事の出来ない特性となっています。
繊維の長さと太さは品種、産地によって異なるがコットンは繊維が細くて長い物ほど良質とされております。

コットンは産地により、

シーアイランドコットン(アメリカ東南部海岸)
エジプトコットン(エジプト)
アブランドコットン、陸上コットン(アメリカ)
インドコットン(インド)
中国コットン(中国)

と分けられます。
上記は繊維の長さ順に並べたものです。
シーアイランドコットンが一番長く次はエジプト綿です。この順に高級度が付けられています。

一番繊維が長いシーアイランドコットンは、綿花を摘む時に機械を使用せず、手紬により極限まで長いコットン繊維を収穫するそうです。
それゆえ、服地として生産された場合のその薄さと軽さ、張った氷の様な艶が特徴です。薄くてもシワになりにくい性質もあり、何度水洗いしてもその風合いや艶が変わらない高品質を誇ります。
業界では「コットンのダイヤモンド」と呼ばれ高い評価を受けております。

各服地の説明

・コットンボイル
夏物の中で、現在比較的多いのが、コットンボイルです。細い糸に強い寄りをかけガーゼ状に織り上げます。
薄く軽く、とてもしなやかな風合いの生地で、プリントが殆どです。
あの”エトロ”も盛んにこのボイルにプリントをかけています。
透け感のある女性らしい優しい風合いが好まれ多用されています。
薄地ですが、撚りがかかっているので、シワにも強いのです。

・コットンカットボイル
コットンカットボイルは、ボイル地に地織りをかけた手の込んだ生地で、この織り柄も単純な四角や丸形他に、手の込んだ花柄やペーズリー柄を織り込みその織り込みのフチをカットします。その上にプリントをかけた高級品です。
以前は、スイス物が多かったのですが、現在はイタリア物も専業プリントメーカーが作って来ていますが昔より生産量が減って来ています。
エレガントな生地なのでカジュアル化の波に押されて市場に出回る量が少なくなってしまいました。このことは非常に残念な気がします。

・コットンローン
細くて均斉な太さの糸を多数本用いて織った生地です。
そこで均整で緻密、織り目がはっきり見えて光沢のある布面となり、薄手でしなやかですがヨーロッパ物はコットンローンの精算を数10年前より極端に落とし、その分より高級化されたコットンボイルに生産比重をかける様になりました。
現在、インポート物として入って来るコットンローンはシャツ地を除いて殆ど少なくなりました。「エトロ」ブランドのシャツ地等このローンの上質な品で手触りがシルクの様ななめらかさがあります。

・コットンブロード
低く細やかな横畝を持つ物は、コットンブロードです。
太くてはっきりとした畝を持つ物がコットングログランで、畝の細かい順に上げると・・・

コットンブロード
コットンポプリン
コットンタッサー
コットングログラン

となり薄地の順も同じです。
街着としてのサマーエレガンスを感じさせるのはこのコットングログランやコットンピケ(ピケとも言う)グログランは丸みのある立った大きな硬い畝を持っています。
この畝はやや太い横又は横糸を2本引き揃えて1本の横糸として織ったものです。

・コットンピケ
さらりとしたコットンの感触と立体的横畝を持つのがコットンピケです。
縦糸1本、横糸1本に加えて、畝を盛り上げる為の縦糸と別に1本持っています。
時に畝をより高く硬く表す芯糸を使っています。
このようなピケを特に「芯入りピケ」と言います。
また、波状の畝を持つ物を原則的にアートピケと言う場合があります。
通常のコットンピケにも畝の太さの違いによって各種分けられますが、中でもヘヤーラインコットンピケはごく細いピケで生地も柔らかく仕上がるので、夏のブラウスにしても上品でカジュアル感があり着ていてもその着心地も抜群です。

又アートピケの織りの変化は多種多様であり、地織りに幾何学柄やペーズリー各種花柄、水玉柄等を入れ、その無地のコットンアートピケとプリントを種々付けたコットンアートピケプリントがあります。
真夏の半袖ドレスやスーツに使うと、きちんとした出来上がり、出来映えがして、時にエレガントに時にカジュアルにと着こなせます。

・コットンギャバ、コットンチノ、コットンチノクロス、ウエストポイント、コットンギャバ等は細かな綾目のある綾織り物で前者はコットンの単糸、後者はコットンの双糸を用いてます。
双糸を用いるコットンチノ等整った綾目が美しく大人っぽい。
この様なギャバやチノは夏のパンツやスカートにカジュアル感が出て爽やかなボトムス素材である。

・コットンコードレーンやコットンヘヤーコード
カジュアル感を演出する為に効果のある品としてコットンコードレーンやコットンヘヤーコードがあります。縦の方向に走る畝をコードと言います。
コットンローン地やポプリンの地の所々に太い糸が2〜4本引き揃えた縦糸を配してるのがコットンヘヤーコードです。
太い糸か引き揃えを横糸に配して格子状を泡和した物もあります。
コットンコードレーンと言えば、青と白、ダークグレーと白又は赤と白の縦縞のジャケットを作るのが代表的着こなしで、気取らず、ちょっと品の良いカジュアル感がありアンダーのシャツやTシャツとぴたりと合う着こなしが楽しめます。

・サッカー
サッカーは、日本ではリップル等と呼ばれ安価な品が各種作られていますが、コットンサッカーは昔からスイスの特産生地で、薄手のコットン地に凹凸の波状の型押しをします
一部無地の他殆どがプリントをほどこしてあります。
花柄が主体ですが、たまに紺白、星白の幾何学柄も付けます。
柔らかいが適度の張りがあり、汗をかいてもベトつかないとても良い着心地です。
その上インポートのスイスコットンサッカーは、この凹凸と生地と特性が何年も大切に水洗いして着て頂いてもその風合いが失せません。
ちょっぴりカジュアル感のある街着として、とても気取らずオシャレです。

・コットンジャージー
機能的で来やすく気兼ねなくカジュアルを楽しめるのがコットンジャージーです。 
日本では天竺(てんじく)と言われています。コットンジャージーとは、編んで作った反物の事であり緯編や経編の物があります。服にする為には織物と同じ様に裁断して縫い合わせをします。これをカットソーと呼んでいます。
何と言っても、コットンジャージーの楽しさはそのプリントにあります。
元々はスイスとオーストリアが沢山作っておりましたが、残念ながら最近はスイスメーカーの力が無くなって来て、少なくなりつつあります。
その反面、イタリア物が増加し、最近でも、フェラガモやベルサーチ等楽しい大胆なプリントを使い製品化しております。
勿論圧倒的にTシャツなどの制作に使われますが、プリントによって夏のワンピースも素敵に仕上げることができます。
街着には最適なコットン素材です。
最近なお一層の収縮性を高める為にポリウレタンを混ぜてストレッチ性を高めた品も造られております。

・コットンボイル--
薄手で軽く組織が透ける細い強撚糸を使い、さらっとした感覚と適度の張りがあります。
・コットンオーガンジー
平織りで非常に薄手で透けるやや硬い手触りが特徴です。
 
・コットンオックスフォード
2〜4本の糸を引き揃えて手織り風に織ったものです。厚手、薄手があります。

・コットンブロードクロス
縦糸の密度を多くして、横糸をカバーする様に織ったもので横方向に畝が走っています。
・コットンポプリン
ブロードに似た織り方だが、ブロードよりやや地厚で横畝が目立つ風合いの物です。

・コットンデニム
縦糸に太い色糸、横糸に細いさらし糸又は色糸を使うので布面の表裏で濃淡の違いが表れているものです。

・コットンクレープ
強撚糸を使いそれを縮ませてシボを出した物となります。
縦シボの外観で柔らかい肌触りがあります。
残念な事に15〜16年前まではスイス物が生産されていましたが、今は全く生産が無くなってしまっています。

・コットンギンガム
格子又は縞柄の先染め織物でさらっとした感触ですが、高級な品ではなく、既製服製品向け商品です。

・コットンシャンブレー
縦に色糸、横にさらし糸又は縦と違う色糸で霜降り高価を出した物で、気取りのないオシャレ感があります。

・コットンドビークロス
小柄の連続した幾何学的模様を織りだした物で主にシャツ地として使います。

・コットンジャガードクロス
複雑な模様を織りだしたものです。

・コットンカルゼ
布面に急角度の斜文が見え弾力があります。

・コットンダブルクロス
上下二重織りで、ところどころで糸が交差して結びついた地厚な織物。
リバーシブル用として使用されますが、ヨーロッパものではボイルの風合いのダブルクロスが以前良く手に入りました。しかしながら現在はもう生産してないのではないでしょうか・・・・
かつて弊社で取り扱っていた物はドレープが出てとてもすてきな生地でした。又リネンのダブルフェースもありますが、これも最近ちょっと見掛けなくなっています。
これは、両面をはがして一枚仕立てで素晴らしいスーツやドレスを作る事が出来ます。

・コットンジョーゼット
布面の縦、横両方向にシボを表したもので、薄く光沢には乏しい。
ドレープ性が特徴。
無地はブラウスにプリントはドレープを効かせたワンピースに独特の味が出ますが数は極めて少なく、なかなか定期的には手に入りません。

・コットンラッセル
ラッセル編み機による編み地の事です。トリコットに比べ、編み目が粗く変化に富んだ組織や柄を編み出しています。「ミッソーニ」ブランドのカラフルなニットが毎夏入って来ます。コットンにリネン、レーヨンを混紡して作られております。

No.5
・最近の生産国の変化

一昔前は、夏物コットンはスイスコットンと言う言い方に代表されていましたがこの数10年の間にスイスのコットンメーカーはすっかり力を失い、メーカー数も減ってしまいました。
原因ははっきりしませんが、恐らくファッションの市場性をしっかり掴みきれず、素材研究や柄=プリントもいまひとつ進歩が遅れ、その結果、イメージとしてスイス物は可愛い小花柄と言うイメージが定着してしまい、相変わらず同じ様な品を生産し続けた事にあるのではないかと思われます。
その点をカバーしており常に変化に対応しているのはイタリアのメーカー群です。プリントデザインにも大胆な大柄を用いるなど、どんどん開発し素材変化研究も盛んです。
ですから、スーパーブランドの服の素材の提供国は今ではイタリア一辺倒の感があります。

シャネル(一部イギリス、フランスのメーカー)、ヴィトン、エミリオ・プッチ、フェラガモ、エトロ、ベルサーチ、バレンチノ、ガッバーナ、アルマーニ、ディオール等々のメジャーブランドも上記の理由でイタリア物を主体に使っております。
イタリア物のイメージは、そのデザイン性と大胆な色使いに代表されます。
一目見てくればイタリアプリントと分かります。
世界の夏のファッションはイタリアに大きく傾いてしまっております。
各ブランドが求めているのも、このイタリアの先進性だと思われます。
しかしながら、一面で日本の市場にはまだまだ無難な柄付けをするスイス物が必要とされております。

・素材感の特徴

特にイタリア物にはコットン素材にポリウレタンを3〜5%混紡させてストレッチ性を持たせた品が近年急に増加しております。
大胆な柄のプリントでもストレッチ性が高いと楽しい面白いパンツなどの対応が出来て、夏のオシャレを一層幅を広げてくれる事でしょう。

夏物のパンツ素材として、サマーウールがあります。
勿論薄手仕上げでストレッチ加工の入った品に人気があります。
当店ではグレー色に人気が集中します。
サマーウールのパンツは、ウールの品の良さとシワに強い事にその特性があります。



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